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ペットボトルの再利用には製造の7倍エネルギーと資源が必要!? 環境問題のアクションを考える

 

既得権益が絡むリサイクルの実情】

僕たちはリサイクルのため、ペットボトルを分別して捨てています。回収されたペットボトルは粒状にまで砕かれ、プラスチック容器や繊維として再利用されます。

実際のところ、回収されたペットボトルがどれぐらい原料として再利用されているのか知っていますか?リサイクルのためにどれぐらい資源やエネルギーが使われているか知っていますか?

諸説ありますが、平成16年に回収されたペットボトル24万トンのうち、再利用されたのは3万トン~23万トンという主張があります。再利用率が12.5%から95%の幅があるということです。すごい幅ですよね?

これはリサイクルに関わっている人たちの利権が絡んでいるため、正確な情報がなかなか公開されにくいということが大きな原因です。これでは僕らが普段やっているペットボトル分別が意味があるのかどうかもわかりません。

 

リサイクルの費用対効果やそもそもの効果については、いろいろ議論があります。

『環境問題ななぜウソがまかり通るのか』は極端な主張で当時物議を醸したそうですが、それについて反論も多く出ました。

興味のある方はこちら

 

結論から言うと、持続可能な社会のために必要なものを根本的に考えるべきで、いまがそのタイミングだと思います。

【リサイクルのお金の流れ】

ペットボトル再利用までの流れは

①市民がペットボトルを分別

②行政がペットボトルを回収、リサイクル事業者に渡す

③リサイクル事業者がペットボトルを再利用処理する

という順序がとられています。

 

③において、どれぐらいペットボトルが再利用されているのか、そのためにどれぐらいのエネルギー・費用が使われるのか公開されていません。

それには2つ要因があって、

  • 行政はリサイクル事業者がどこまでペットボトルを再利用しているかの責任を持っていない
  • 「リサイクル率」の数字が高いほど、拠出金を手に入れられる

という現状があり、その利権が絡んでいるため、なかなか情報公開がされていません。

拠出金についてはこちら

 

極端なことを言うと、リサイクル率の数字を上げるためにペットボトルを引き取るだけ引き取って、焼却するということも可能なわけです。

そこらへんの実態は既得権益が絡んでくるため、公開されていないことも多くブラックボックスなので、なんともいえませんが・・・。

 

また、そもそも現状のリサイクルは本来の「リサイクル」ではありません

【そもそもリサイクルとは?】

リサイクルとは、 廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用することで、モノを循環させ再利用することが理想です。

ですが、いまのリサイクルはダウンサイクルで、エコ効率を追い求めています。

ざっくりいうと、いまの産業が与える環境への影響を緩和させ、現状の深刻化を引き延ばしているに過ぎないわけです。

現状のリサイクルの問題点については、過去記事でまとめていますので、よければどうぞ

sustainablemj.hatenablog.com

特にペットボトルをリサイクルするには、7倍のエネルギーと資源がかかります。ペットボトルはもともとリサイクルする用に設計されていません。リサイクルしようとしてもペットボトルは純度の低いプラスチックになり、そこからプラスチック製品を作るとなると、新たにプラスチック製品の原料を足したりする必要があります。また、リサイクルするにもトラックの燃料やベルトコンベアーなど処理設備にエネルギーを使います。実際、無駄の多い工程といえます。

【僕らは暮らしの転換期にいる】

とまあ、ペットボトルのリサイクル効率性や効果を簡単に取り上げましたが、そもそもペットボトルを使う必要があるのか?と僕は思います。

確かにペットボトルは軽いし、いつでもキャップを締めることができて便利です。ペットボトル飲料を買うのが当たり前の世の中ですが、いつからそうなったのでしょうか?

 

ペットボトルは60年代から70年代にかけて、アメリカで技術開発・特許取得がされました。アメリカは石油埋蔵量が世界トップ3に入ります。石油需要を拡大するため、ペットボトルの流通もどんどん拡大させました。

80年代には日本でもしょう油の容器にペットボトルが利用され徐々に広がっていきました。

アメリカがペットボトルを広めたわけですね。人間が生まれたときから、ペットボトルがあったわけではありません。ペットボトルが無い生活を模索できるはずです。

 

上記はわりと極端な例でしたが、既存の市場を白紙にして、削減したりそもそも無くしたりする主張をすると、既得権益が絡んでいる人や、経済成長を最優先にする層から批判されます。経済競争から逃げているだけではないかという論調もWeb上で見かけます。

でも、僕らは転換期にいます

確かにペットボトルを使わないようにすれば、その市場がストップし利益は減るでしょう。それは短期的な利益です。

いまの社会は産業革命から始まり、形成されてきました。化石燃料に依存するエネルギー戦略は持続不可能です。いまの暮らしの在り方はあくまで一時的なものに過ぎません

 

ゴミ問題がやばいのは事実です。

海でのプラスチックごみが魚の量を上回っているという話も出ています。

ペットボトルのリサイクルにどれだけコストをかけるか、ペットボトルは焼却するか否かという議論も短期的には大切です。

でも、いまの経済市場の便利さ、既得権益にぶら下がる形から脱却し、新しい在り方にシフトしていく必要があります。

いまの暮らし、価値観をシフトさせ、持続可能な在り方を作っていく必要があります。

そのためのアクションはまだまだわかりませんが、関連情報やアクションについて、ブログで発信していきます!