感情表現が苦手な人へ 「4つの耳」でコミュニケーションの傾向を知ろう【NVC】
自分の感情を二の次にして、人間関係や状況をやり過ごすことありますか?
僕はけっこうあります。人間関係で波風が立ちそうになったら、まずは「この人には周りの状況や僕は、こう見えているんだな」と考え、冷静に状況を対処しようとすることが多いです。
そのせいか僕は感情を表現することが苦手です。表情や声色に感情が乗っかりにくいですね。嬉しく思っているのに、表情と声に出てこない・・・。自分はこう感じているのに、伝わり切らなくてもどかしく感じることがあります。感情を常に丸出しにするのがベストとは思いませんが、人に一番伝わるのって感情だと思います。
好きな気持ちとかいいよね!という気持ちをしっかり伝えることは、信頼関係を築くためにも大切です。
似たような状況の方におすすめなのが、NVC(非暴力コミュニケーション)です。
以前、NVCを紹介しましたが、今回は「4つの耳」をメインにして、感情を大切にするコミュニケーションについて書きます。
【「4つの耳」で、コミュニケーションの傾向を知ろう】
「4つの耳」とは、自分自身と他人に対する評価と共感のベクトルを、ジャッカルとキリンに例えてまとめたものです。
まずジャッカルは、
◆ジャッカルOUT: 相手を批判・ジャッジして打ち返す
◆ジャッカルIN: 「自分が悪い・・・」で自分を責める
キリンは、
◆キリンIN: 「自分は何を感じているのか、ニーズはなにか?」で自己共感する
◆キリンOUT: 「相手は何を感じているのか、ニーズはなにか?」で相手に共感する
この4つの側面が人にはあります。必ず全て持っていて、どれか欠けている人はいません。
そして、ジャッカルが悪くてキリンが良いということではありません。感情に良い悪いはなく、自分がそう感じているという事実だけがあるわけです。
そして人によって、どの耳を使うのが多いか傾向が分かれます。みなさんは4つの耳でどれが出てくることが多いですか?
僕の場合、ジャッカルINが多いです。波風立たせず状況に対処しがちなので、自分の気持ちを内に留めて、感情にもフタをしていることが多い気がします。
【感情表現は、ニーズと感情を観察し、理解してあげることから始まる】
自分に不足している耳を実践する量を増やすといいと思います。
僕の場合、キリンIN/OUTが不足しているので、まずはきちんと自分の感情・ニーズを観察する。そしてしっかり言葉にします。
そもそも感情を自分でつかみ切れていない場合もあるので、繰り返して慣れていきます。
感情に共感するときのポイントは、目的にフォーカスすること。目的と理由を混同しないことです。人は「~~のために」の目的、つまり満たしたい欲求のために動きます。
目的に目を向けると、「ニーズ」に目が向きます。
ニーズを最後までかみ砕いていくと、「僕が」「あの人が」の主語がなくなります。ニーズは人間にとって普遍的なものだからです。誰々だからもっているというものではありません。認めてもらうこと、つながり、愛、配慮/気遣い、平等、調和、秩序、創造性、探求、成長、自由などなど。普遍的に満たしたいと思う欲求ですね。
そして感情はニーズが満たされているか、満たされていないかのサインです。ニーズがこうやって満たされているから、こんな風に嬉しく感じている。ニーズがこんなにも満たされていないから、こう悲しく感じている。のように、どのニーズがどの程度満たされているかによって、出てくる感情は異なります。
ただ、ボキャブラリーが足りないと、自分のニーズや感情をつかむことができないので、そのボキャブラリーを増やすことが大切です。
ニーズと感情のボキャブラリーリストはこちら
http://nvc-japan.net/data/Feeling&Needs+intention.pdf
【共感が難しいときは、距離をとろう】
人間関係がうまくいかないとき、まずい状況になったとき、自分と他人のニーズ・感情としっかりつながることが大切です。
アクションを決めるのは4つの耳をやりきってからがおすすめです。4つの耳をやる前に、焦ってなんとかしようとしないするのはよくありません。ニーズや感情をしっかり見てあげないと、だんだんニーズや感情がわからなくなったり、伝えることができなくなります。
ただ、状況を対処することを優先して、ニーズや感情に共感するがないがしろになりがちな時期もあると思います。そんなときはニーズのギャップを生み出すコト・モノから距離をとって離れましょう。僕も気持ちのコントロールが難しくなったときは、その場を離れて一人になることもあります(笑)。ニーズや感情をしっかり見てあげて、自分なりのペースで慣れていきましょう!