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経済成長VS自然保護 両立のヒントは生態系にあった 『サステイナブルなものづくり』第3章

【まとめ】

◆自然のシステムは、「より少なく」ではなく「より多く」を望む原則で動く

◆エコ効果のデザインで、経済と自然の成長を両立させることができる

 

【産業の成長と自然の成長】

産業の成長と自然の成長にそれぞれどんなイメージを持っていますか?

自然や子供の成長は美しく健やか。

産業の成長は僕たちの生活を便利で快適にしてくれる一方、環境保護主義者から見るとガンであり、資源の濫用と文化や環境の崩壊につながるとして疑問視されています。

 

なぜでしょうか?

その違いは生態系と密接につながっているかどうかにあります。

 樹木は生態系のシステムから孤立しているのではなく、密接かつ生産的につながっいます。

樹木が成長する中で果たす役割は様々で、

・動植物に食べ物を提供

二酸化炭素を吸収し、酸素を生産

・土壌を育み安定させる

・死ぬとき、蓄えていたミネラル分を土に還す

そして周りの生物たちと、なんらかの形でお互いを支えあうように機能し、生態系を支えています。

樹木(自然)が成長すればするほど、生態系全体を豊かにし活力を与えてくれます。

 

一方、産業は生態系から孤立しています。

ショッピングモールを増やすことは短期的には職場を増やしたり、地元の経済を潤わせるが、交通渋滞、アスファルトで覆われた地面、公害、ゴミの増加を招く。

 

本当に誰もが望んでいるのは、クオリティオブライフの向上だと思います。

皆さん豊かに幸せに暮らしたいですよね?

僕も産業革命より前の時代に戻りわけじゃありません。

便利な技術・テクノロジーのおかげで、いろんな情報を得れるし、好きなことをできる時間もできる。

こうやってブログも書けなくなりますし、絶対に嫌です(笑)

 

じゃあどうすればいいのか?

健康や環境を守る「正しいこと」をする。

産業やシステムを「正しく」拡大させていきましょう。

 

【No,エコ効率、Yes,エコ効果】

エコ効果とは、問題点を少なくしていくことではなく、正しく物事に取り組むことによって、製品、サービス、システム全ての局面をよくする概念。自然からヒントを得ています。

 

生物が作り出すものは「ゆりかごからゆりかごへ」の原則で循環し、自然のサイクルに従って地球に還元されます。

自然システムのすごいところは、「より少なく」ではなく「より多く」を望むところといえます。

もし自然が、人間の考える効率化でデザインを始めたら、植物の花の数は減り果実として自然に還元される栄養分は減るでしょう。

樹木の数も酸素やきれいな水の量も少なくなり、生命の多様性は失われ、創造性や喜びも減ってしまう。

 

それも自然システムは「ゆりかごからゆりかごへ」の原則で循環するような在り方でデザインされているから。

 

いまの製造サイクルは「生産→廃棄」でゴミが出ます。

そしてどんな製造プロセスでも、製造プロセスで廃棄物が出ます。

でも、「ゆりかごからゆりかごへ」の原則をデザインに活かせば、これまでの「生産→廃棄」のサイクルを吹き飛ばし、「生産→利用→再生産」のサイクルに移行することができます。

 

僕らは生態系の一部。

生態系に生かされていると理解し、自然をコントロールしようとする考え方から卒業しよう。自然システムと尊重しながら付き合っていく在り方にシフトすることが緊急かつ重要なテーマになる。

 

マクダナー氏は「ゆりかごからゆりかごへ」の原則を実践するために、バイオスフィア(自然界の循環)とテクノスフィア(産業界の循環)がうまく回るようなデザインを始めていくことを提唱しています。

 

「バイオスフィアとテクノスフィア ゴミを出さないデザインの在り方」第4章はこちら 

サステイナブルなものづくり―ゆりかごからゆりかごへ

サステイナブルなものづくり―ゆりかごからゆりかごへ

  • 作者: ウィリアムマクダナー,マイケルブラウンガート,岡山慶子,吉村英子,William McDonough,Michael Braungart,山本聡,山崎正
  • 出版社/メーカー: 人間と歴史社
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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