夕食1回にどれだけ水が使われているのか ~24歳(男)の夕食で仮想水を計算してみた~
日本に住んでいれば水不足に困ることはほとんどないですよね。
日本の水道普及率が98%というのもありますが、仮想水(ヴァーチャルウォーター)に支えられていることも大きいです。
【仮想水(ヴァーチャルウォーター)とは】
仮想水(ヴァーチャルウォーター)とは、
食料を輸入している国( 消費国) において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したものです。つまり、日本は海外から食料を輸入することによって、その生産に必要な分だけ自国の水を使わないで済んでいるのです。言い換えれば、食料の輸入は、形を変えて水を輸入していることと考えることができます
【日本の水消費】
日本では、家庭での水使用量が一人当たり平均で年間約186㎡の水を使います。
世界各国の家庭での水使用量は、年間1人当たり約68万㎡ですので、日本人1人あたりの水使用量は世界平均の約2倍です。
日本をはじめ、先進国の人口割合が多い地域で水が多く使用されています。
それに今後はアジア諸国も社会発展に伴って、水使用量の増加が予測されます。
地球上に存在する水はおよそ14億㎦ですが、約97.5%が海水等であり、淡水は約
2.5%にすぎません。しかも淡水のほとんどは南極や北極の氷で、僕らが利用できる
河川・湖沼、地下水などの水はわずか0.01%です。つまり、14万㎦(立方キロメートル)が普段使える水というわけです。
この水資源の状況下で、日本家庭での水使用量が、一人当たり平均で年間約186㎡というのはかなり水を使っているといえます。
しかもこれには、仮想水(ヴァーチャルウォーター)を計算に入れていません。
2005年に海外から日本に輸入されたバーチャルウォーター量は約800億m3であり、その大半は食料に起因しています。これは、日本国内で使用される生活用水、工業用水、農業用水をあわせた年間の総取水量と同程度となっています。
参考: https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/zu/h22/html/hj10010401.html
とはいえ、仮想水の量が多すぎて実感がわかないと思うので、僕の普段の食事で仮想水量を計算してみました。
【24歳(男)の夕食で仮想水を計算してみた】
僕は24歳(男)で、
◆鶏の茹で料理
◆納豆そば
◆白ごはん
が主食で大体平日はこの3つ組み合わせのローテーションで食べています。
環境省が食材から仮想水を計算するサービスを作ってくれています。
実際に計算してみました。
◆鶏の茹で料理
<1食分の材料>
・鶏の胸肉(国産)125g
仮想水= 562.5L
・ほうれん草(国産)50g
仮想水= 27.675
・にんにくの芽(中国産)25g
仮想水= 34.755
鶏の茹で料理の合計仮想水= 624.93L
◆納豆そば
・そば(国産)180g
仮想水= 804L
・納豆(国産)45g
仮想水= 150L
・めんつゆ10㏄
仮想水= 10.368L
・卵(国産)1個
仮想水= 179.2L
納豆そばの合計仮想水=1143L
◆ご飯(国産)1合
仮想水=555L
月曜~金曜の夕食で、大体6480リットルの仮想水を使っているということになります。
いまの大量生産のやり方もあって、1食分でも大量の仮想水が使われていますね。
今回の計算は、国産か輸入かわからないし、計算式も出ていないので正確さは微妙ですが、僕らの食事は大量の水に支えられているということですね。
環境省によると、1kg のトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1,800 リットルの水が必要です。また、牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kg を生産するには、その約20,000 倍もの水が必要です。
日本のカロリーベースの食料自給率は40% 程度ですから、日本人は海外の水に依存して生きているといえます。つまり、日本はバーチャルウォーターの輸入を通じて海外とつながっており、海外での水不足や水質汚濁等の水問題は、日本と無関係ではないのです
【仮想水を減らすには?】
現状、消費者である僕らができるのは、過剰な食品購入をやめることぐらいです。余分に買った食べ物を捨てていませんか?(僕は調理で余った野菜をそのままにして捨ててしまったことが。この前あってショックでした)
大量生産・大量消費に慣れて、周りに食べ物が大量にあるのが当たり前と思いがちですが、実際そんなことはありません。
日本国内の食料自給率は約40%で、かなり食料輸入に頼っています。
水も同様です。日本の水道普及率は約98%で、蛇口をひねれば飲める水が出てくるので忘れがちですが、
- 12億人が安全な飲料水を得ることができない。
- 24億人が下水道等の衛生施設を持っていない
というのが実状です。
水や食料など、僕らを生かしてくれているものに対して、ありがたみを持ち、大切にすべきだと僕は思います。
大量生産・大量消費を調べていたら、めちゃくちゃかっこいい小売店があったので、最後に紹介します。