トランジション藤野に見た 持続可能なコミュニティのヒント
【人の価値観により影響を与えるのは、ボトムアップのアプローチ】
環境運動として、政策や産業廃棄物の規制に関するデモや主張が行われていますよね。
政治・経済のトップに訴えかける方法も一つの手段ですが、持続可能な社会を実現するにはボトムアップで働きかけるのがより効果的だと思います。
なぜならボトムアップのやり方のほうが、人々の暮らしに近いところで働きかけられるから。
社会を変えるには、人の価値観・考え方をシフトさせるのが近道です。
各界トップに働きかけて攻めるのもいいですが、むしろボトムアップのほうが、僕らの暮らしに近いところで行われるので、共感を呼びやすいというわけです。
さらに暮らしの中で変化を起こせば、暮らすだけで環境運動・発信ができて、持続しながら行える強みがあります。
今回、トランジション藤野に行ってきて、コミュニティ創りのヒントを見つけてきました
【トランジション藤野とは】
日本で現在数十か所あるトランジションタウンの一つが、トランジション藤野。
トランジションタウンとは、ピークオイルと気候変動(地球温暖化)という危機を解決するために、市民の創意と工夫、地域の資源を最大限に活用しながら脱石油型社会へ移行していくための草の根運動です。
新宿から電車で一時間強のアクセスで、自然いっぱいです。
【藤野出身の若者が創る「そらにわ」】
「そらにわ」というお祭りにもお邪魔してきました。
出店やアーテイストの催しで多様な表現があり、老若男女が集まる楽しい空間でした。
驚いたのは藤野出身の若者が集結して創ったというところ。
藤野ではゆるいつながりがあり、「そらにわ」のような楽しい企画があれば戻ってこれる関係性があるそうです。
常にがんがんイベントを開き、人を集めているわけではなく(いまの時期は特にイベントもすることなく、落ち着いている時期だそう)、情報共有ができるゆるいつながりを保っているそうです。
就職で藤野から出ていく若者もそこそこいるようですが、楽しそう、やりたいことがあるからいつでも戻ろうと思える。それぞれが共感でつながる自発的なコミュニティの姿がありました。
【共感でつなぐ持続可能な暮らし】
暮らしの在り方をシフトさせるにはコミュニティが必要。
自分の暮らし方を変えるのは、始めようと思えばすぐにやれます。
山奥にこもって世俗から離れた暮らしをしたりとか。
でも、人の暮らし方に変化を起こすには、コミュニティの力が必要です。
コミュニティは創っても、無くなるときはあっという間です。
コミュニティを持続させるには、共感でつながる関係性が重要。
コミュニティとして常に一緒にいる必要はありません。
藤野のようにゆるいつながりの中で、ポジティブな感情でつながりながらムーブメントを起こす。そんなコミュニティの在り方もあります。
環境運動を起こして、政治や経済のトップに訴えかけるのもありですが、人の価値観により強く影響を与えるのは、暮らしに訴えかけるボトムアップのアプローチです。
暮らしに近ければ近いほど、習慣や感情に影響を与えやすいからです。
持続的なコミュニティを形作るためのヒント。
藤野から与えてもらった良い訪問でした。
*次に藤野へ行くときは住人の方にインタビュー等して、持続可能な暮らしの在り方について詳しく伺う予定です!