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人と自然のニーズを満たす 地域レベルのサステイナビリティ『サステイナブルなものづくり』第5章

【まとめ】

◆多様性を豊かにすることで、暮らしも豊かにする

◆地域レベルのサステイナビリティを考慮したデザインで、人と自然のニーズを満たす

 

多様性は自然な在り方。

どんな生き物もほかの生物に依存しながら、生態系を維持するためになんらかの役割を担っています。

樹木は微生物が作り出す養分を吸って、酸素や水を提供してくれます。

何かを得れば、何かを戻す。生態系から切り離された都市では感じにくいですが、そんな相互依存の関係で僕らは生きています。

そして多様であればあるほど、生態系や地球はより豊かに生産的になります。

 

多様性に反し、均一化を求める経済活動、生活をしていると、どこか疲弊して、必ず無理が出てきます。

第2章の「エコ効率」での、効率化のために均一に栽培されるトウモロコシの例のように)

 

生態系に限らず多様性を豊かにすることは、弾力性(レジリエンス)を高めます

僕らの発電システムや経済システムも多様化させることで、なにかトラブルが起きたとしても、いろいろな状況に対応することができるわけです。

東日本大震災原発がストップしたとき、エネルギーが使えなくなり東京一帯もストップしました。

一つのシステムに集中すれば、それが使えなくなれば終了です。

発電ひとつとっても、いろいろな発電システムをつくれば、どれか発電が止まったとしても、電気を供給できます。

例えば太陽光や風力電力をさらに普及させれば、風が強い時期は一番安く電力を使える風力発電を利用する。みたいなこともできちゃうかもしれません。

 

【地域レベルのサステイナビリティで、人と自然のニーズを満たす】

多様性を僕らの産業システムに活かすためには、多様性を受け入れ、調和することが重要。

暮らしを自然の流れと結びつけることが原則です。

 

地域レベルのサステイナビリティを考えることがヒントになります。

ざっくりいうと、その土地が持つ要素を理解し、僕らの産業システムや経済活動を、その土地の資源やエネルギーの流れ、習慣、ニーズ、好みなどに合わせるということですね。

◆その土地に適したものは何か?

◆その土地に在るものをどう活かすか?、

◆その土地の産業と生態系が豊かになるにはどうすればいいか?

例えば、化学薬品を用いるときは、それが水質や土壌を汚染する可能性が無いかを考えるのではなく、いかに栄養を与えるかと考えたり・・・

 

また、製品デザインでいうと、マス・カスタマイゼーションも有効です。

マス・カスタマイゼーションとは、大量生産に一部オーダーメイドの要素を取り入れた生産方式。

これをデザインに取り入れることで、商品の価格や品質を保ったまま、パッケージや製品を地域ごとの事情や好み、伝統に合わせることができるようになります。

一口で洗剤といっても、硬水と軟水に応じて違う種類の粉末や固形ペレットが必要です。また、選択を川の岩場などで行っている地域では、洗剤がそのまま水源に流れてしまうことを考慮することも必要。

川辺で岩に衣服をたたきつけて選択しているインドの女性たちが、洗濯機用にデザインされたザラザラした洗剤を、指でふりかけて使っていることにとある洗剤メーカーは注目しました。彼女たちにとって、洗剤は高価で一度に少量ずつしか買うことができなかったからです。そこでそのメーカーは川に流しても影響の少ない洗剤を開発し、それをどこでも簡単に開けて使えるよう小型のパッケージに入れ、低価格で売るようにしました。

 

自然とのつながりを大切にしながら、土地ごとのニーズを満たせるようなデザインは効果的です。

そこに均一性はなく、多様なデザインがあります。

そんなデザインが広がれば、最終的に人の文化的ニーズも自然や土地のニーズも満たすことができます

人にも自然にも持続可能な暮らしが可能になるということですね。

サステイナブルなものづくり―ゆりかごからゆりかごへ

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