ゴミの概念をなくす 『サステイナブルなものづくり』序章
経済活動とゴミ問題のジレンマを感じたことのある方っていますか?
「環境破壊やゴミ問題を解決するなら、石油使わずにモノも買わずに我慢すればいいやん。そうすればゴミも出えへんやん」と大学生だった僕は考え、試しにモノを消費しない生活をしてみました。
結果、続きませんでしたね。
生きている以上、なにかしら消費します。消費量を限りなくゼロにすることはできますが、モノを生産→消費→捨てるシステムの中で暮らす以上、ゴミをゼロにすることは不可能です。
当時、またゴミを出してしまった・・・とゴミを捨てるたびに落ち込み、不可能だと気付きました。
『サステイナブルなものづくり―ゆりかごからゆりかごへ』はそんなジレンマに陥ったことのある人に伝えたい!
「ゴミの概念をなくす」をテーマの本で、今日から各章に分けて紹介します。
ぜひ一緒に考えていきましょう!
【序章のまとめ】
◆産業革命時代の製造システムを続けている結果、意図しない環境破壊が起こっている。
◆現在行われているリサイクルは、「ダウンサイクル」。
捨てるまでの時間を引き延ばしているだけ
◆ゴミの概念をなくし、経済的な利潤追求と健康な環境の保護は両立することができる。
【モノづくりのコンセプトを変えることで、ゴミの概念をなくす】
大きな問題は
◆利潤追求と健康な環境の保護が対立していること
◆リサイクルが「ダウンサイクル」になっていること
まず、ペットボトルをベンチに生まれ変わらせるリサイクルがされていますが、これは本来の「リサイクル」ではありません。
「ダウンサイクル」です。
リサイクルとは、そのモノを100%再利用すること。
いまの技術ではペットボトルをリサイクルするといっても、そのサイクルはせいぜい2回どまり。さらにペットボトルからカーペットを作ろうとしても、通常の原材料から作るのと同じだけのエネルギーを使い、同じぐらいの廃材が出てしまう。
なぜなら、ペットボトルは再利用されることを想定して製造されていないから。
無理やり再利用しても、余分なコストがかかるのは当たり前なわけです。
また、よくある議論は
環境を健全に保つには、企業は規制・抑制されなければならない。しかし、企業が反映するためには自然保護を優先するわけにはいかない。(中略)「不便でも消費を減らそう」「儲けることばかり考えるのをやめよう」。こうした意見は特に開発途上国にとって理不尽である。(中略)けど、生き延びていくためには、皆が多少の犠牲を払い、残された資源を分かち合わなければいけない。誰にとっても禁欲的でつまらない未来しかないのだろうか。
経済の利潤追求と環境保護は対立するものとされ、議論は平行線になりがちです。
この行き詰まりを解消するために、「ゴミの概念をなくす」ことをマクダナー氏は提唱しています。
ゴミの概念を考えるためには、産業革命の歴史といまのモノづくりのコンセプトがどう出来上がったのかを知ることから始まります。
- 作者: ウィリアムマクダナー,マイケルブラウンガート,岡山慶子,吉村英子,William McDonough,Michael Braungart,山本聡,山崎正人
- 出版社/メーカー: 人間と歴史社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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